2020年1月、日本女子大の小山聡子教授は、21年度からのトランスジェンダーの女性の受け入れをめぐる教職員向けの意向調査結果に、目を見張った。
「(受け入れは)可能だと思う」が約半数で最も多かったが、「可能だと思わない」「わからない」がそれぞれ約4分の1を占め、想像以上に多かった。
自由記述欄には「それをやったら、女子大ではなくなってしまうのではないか」「受け入れ自体に反対ではないが、まだ準備が整っていない。いまの状態では、むしろトランスジェンダーの学生を傷つけるのでは」といった懸念の言葉が並んだ。学内の委員会では21年度から受け入れる方向で進めていたが、仕切り直さざるを得なかった。
生まれたときの性別と自認する性別が異なるトランスジェンダーの学生の受け入れが、女子大で進みつつあります。2024年度からの入学を認めた日本女子大学の担当者は、検討を重ねるなかで「女子大の意義を問い直した」と言います。何があったのか。その経緯を聞きました。
根強い懸念、「ここで強行するのは……」
日本女子大が受け入れの検討を始めたのは15年。トランスジェンダーの女児の保護者から、付属中学への受験について問い合わせがあったことがきっかけだった。このときは意見がまとまらず、「時期尚早」との結論に。その後も大学で議論を続け、17年度から本格的な検討を始めた。
18年度末には、「自認する…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル